鏡の中に映る人 〜誕生日に想う〜/服部 剛
すと
31ねんまえのあのひ
うまれたてのぼくがねかされていた
びょうしつのまどからさすあさひとともに
きこえてきたてんしたちのうたごえが
31さいになったきょうのひも
かがやくたいようのずっとおくからきこえてくる
父も母も自分自身も選ばずに
この世に産声を上げた時
鏡に映る自分という存在の体に入り込んだ ぼくのたましい
無限の宇宙の中に浮かぶ小さい地球という青い惑星(ほし)の中に
60億以上のありつぶの人々が微笑みあったり憎しみあったり
そのなかで 1/60億 の僕もまた
「はっとりごう」という文字を裏地に縫われた
ぬいぐる
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