少女飛遊/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
グイと力を込めて取ってきた。思わぬ行動に一度はその手を振り払うが、今度はもう片方の手で絡め取ろうとする。
「……おい!」
 不気味な少女の行動に声を荒げ、布団をはいですぐさま起き上がろうとした。しかし上半身が自由に動かせるのにもかかわらず、下半身が重石のように頑として動かなかった。少女の執拗な攻撃をかわしつつ空いていた手で太ももをまさぐってみると感触があった。不随ではないという事が分かる。とするとこれは一体どうした事か。私は次々と起こる訳のわからない事例に心が激しく乱されてしまい、やがて少女に振りほどけない程の力で片手を完璧に捉まれてしまった。
「……!」
 そして少女は私の手を自
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