少女飛遊/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
まだ暗いうちにふと目を覚ますと枕元に少女がいた。眼を見開いて私の顔を粘っこく見ていた。しかし熱のこもった眼ではなく、私を通してはるか向こうを見ているような、澄んではいるが遠い眼だった。少女は16、7ぐらいの年齢のような、大人の女性になりかかっていると見受けられる体つきで、背中の中程まで伸びたまっすぐで艶やかな髪をしている。一見、凛とした顔立ちの表情のどこかに、訝しげな光を放っているかのような感触を覚えずにはいられなかった。
「誰だ。何故ここにいる」
私の問いかけには無視を決め込んだように、少女は通学用と思しき制服をヒラリと脱いで一糸まとわぬ格好になると、布団に手を突っ込んで私の手をグイ
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