太陽みたいな/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
いいけど、今日私、何にもできないよ……
──別に、いいよ……

 彼女がうつむき加減に紅茶をすすりながらぽつりと言う。普通に受け入れた。別に、彼女に何かさせようと思ってきたわけじゃなかった。そうなるかどうかはいつも成り行き次第だったし、そうした事を考えて飢えるように求めたことは、思い出す限りはただの一回もなかったはずだった。まったく自然に、ふと気がつくとそうなっていたのだった。彼女もそれはわかっていたはずだと思っていた。そういえばこんなことを言われたのも初めてだったような気がする。気がつくと、ああ、そうなのかなと、とっさに思いつく。そろそろ潮時なのかもしれなかった。思い過ごしかもしれなかった
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