太陽みたいな/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
たま一人で歩いているのを見掛けた時もそんな調子だった。一人で歩いている時の彼女の周りは、そこだけがまるで薄暗い模様みたいなものに包まれているようだった。一緒に歩いている時はどうなのだろうとふと思った事もあった。それはきっと2人という事もあるから、低く見積もっても2倍以上の力でもって、まるでブラックホールのような雰囲気を出しているのだろうなと思われた。要するに彼女とは、似たもの同士という事なのだろう。
 彼女の部屋のブザーを押すと10秒くらいで少し待っててと遠い声がし、しばらくしないうちにかぎが解かれ何事もなく部屋に入った。ラジオの音が微かに流れるだけの、8畳ほどのワンルームは相変わらず整理されて
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