太陽みたいな/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
─ねぇ……
耽っているところに、不意に彼女から呼びかけられて、おぼろげな美しい画が目の前から消える。ちょっと驚いたが、そのそぶりを見せないよう顔をゆっくりと彼女の方へ向け、返事はせずに目に力を入れて様子を伺う。と、目線に怯えたのか何か言いたげだったが、少しの間何か言おうとしてはみるものの、やがて、少しづつ下を向き、何がしかを語る意欲を次第に失っていった。何を言いたいのかはわかっていた。が、彼女の意を汲んでこのまま引き下がるのも、なんとなく面白くなさそうな気がした。彼女がなぜそうしたいのかは別にどうでもよかったが、事前にその影も感じさせないような、妙な秘密主義がなにか面白くなかった。普通、そ
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