太陽みたいな/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
通っていた、行き付けの店に行った。普通の小さなスナックで、側に、いわゆるハッテンバと言われているサウナ旅館があった関係か、マスターもそういう人だった。と、いっても別にそれらしい店構えがされているわけでもなく、ただきれいに清掃が行き届いているだけの、本当に普通のスナックだった。ただ、それを知らない人が入ると雰囲気でわかるらしく、あわてて退散する人が跡を絶たなかった。彼女と飲んでいるときもそんなサラリーマン風の人が何人かいた。
彼女は店に入ってからちょっとの間は、わりに大きな目を見開いたりして驚いていたが、やがてすべてを理解した。何を話したかは覚えていない。記憶の中ではそのあたりがすっぽりと飛んで
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