ツイン・コリドー/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
い中で、素直に考えてみればオレンジ色のドアだが、そこに罠が仕掛けられているような気が、した。
「選ぶのじゃ」
 思いきって俺は金属で囲われたドアを開け、中に入った。
「むうっ……!」
 吸い込まれるように入ったそこは、白い光を放つ回廊が無限と言えるほど続き、行けども行けども先が見えなかった。しかも猛烈に寒く冷える。
 俺は回廊を、転がり込むように駆け下りる。何かに導かれているかのように。
「しまったか……!」
 だが、暫くして段々と周りの温度が上がり、やがて快適な状態となった。そしてその頃には、春の野原のような光景が目の前に広がっていた。
 あまりの快適さに呆けていると、空の上の方
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