ツイン・コリドー/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
の方から老人の声が聞こえた。
「フッフ……お前さん、どうやら善の因業が少しだけ強かったようじゃの。お前さんの選んだ回廊は白金回廊。最初は冷たくて寒いが、段々と暖かくなり、しかも燃料さえ買っておけばいつまでも暖かさが持続するのじゃ。」
「すると、もうひとつのは……」
「そうじゃ、使い捨て回廊じゃ。最初はすぐに暖かいが、あとは何をやっても暖かさは戻らず、そして回廊ごと捨てられていくのじゃ。お前さん、これからも善行をよく積むようにな。では」
 響き渡るような老人の声が消えると、俺は気が気じゃなくなっていた。
「ワー、早くドラッグストアに行かなきゃ!」

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