ツイン・コリドー/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
要すれば、あるいはそれを教えるかもしれなかった。
「ダメじゃ! お前さんの考えている事は、儂にはお見通しじゃ」
そう言うと老人は燈篭を頭上に高くかざし、
「セイヤァァァー!!」
と大音声で叫んだ。たちまち燈篭から目も眩むような光が放たれ、轟くかの如き爆音が鳴り響いた。
「どうじゃ。これでも、儂に手向かおうとするか?」
俺は、考えを修正するほかなかった。
「四の五の言わずに、選ぶのじゃ」
老人に促され、俺は改めて二つのドアの前に立った。
見ると、白く光る枠に囲われたドアはどことなく寒く感じ、オレンジ色のドアは、色から考えれば当然かもしれないが、暖かく感じた。
暗く寒い中
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