ツイン・コリドー/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
」
「そうじゃ。で、それぞれの扉を開くと回廊を通り、そしてその回廊が導く場所に辿り着くと言うわけじゃ」
「それを、決めなければならないんだな?」
「そうじゃ。決定については、儂からは何も言えん決まりになっておる。おまえさんの意思と因業によってのみ、判断せねばならんのじゃ」
これからの行く末を決める大事な問題だ。俺は悩んだ。
「ヒントも与えられないのか?」
「お前さんだけで、決めねばならん」
「でも、貴方はどちらに行けばどうなるか、知っているんだろう?」
「それには答えられん」
どうやら老人は答えを知っているようだった。見たところ力もなさそうだった。俺が老人を襲って答えを強要す
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)