ホステスの母/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
ういう方向に行ったのかも知れない。それでもまったく友達がいないと言う事はなかったので、それなりに楽しかった記憶の方が強い。
 
 そんな訳で、一度目の借金返済の足しにと言うことなのだと思うが、やむなくホステス勤めをしていた母だった。
 母がキャバレーに勤めていた時の事で思い出されるのは、毎月、給食費などの学校の費用を、夜は勤めでいないものだから、仕方なく朝に要求する時の事だ。僕が費用をねだると、母は寝床で「ウン……ウン……」というものだから、了解を得たとばかりに、母のカバンから費用を取って学校に行き、そして課業が終わった後、家に帰ると決まって怒られていたのだった。「朝は寝てるんだから、なんで
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