ホステスの母/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
、僕が何も怒られなかったのはどうしてなのかと、今になって不思議に思うものだが。
 そんな風に神経の細かい人だったので、キッチリと父は、母の杜撰さをカバーしていたのだった。例えば当時の家は風呂無しのアパートだったので、借金時には倹約のために、なかなか銭湯に行かせてもらえなかったりしていた。僕はバカ正直だったから、学校でその事をうっかり話してしまい、不潔男呼ばわりされてちょっとしたイジメに発展したりした。どんな風にイジメられたかはあまり覚えていない。着ていく服もあまり買ってもらえなかったし、母が昼間に寝ていて洗濯もあまりしてもらえなかったのもあって、いつも同じ服を着ていたというのもあったから、そうい
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