とどかない光/小林レント讃5/渡邉建志
 
ある
(苔むしている)
いちばん東側にある地蔵は
10秒間で生えたりひっこんだりを繰り返す
(つるつるである)}
である。この()が楽しい。それからまた歌。

生きることは「生える」こと
死ぬことは「ひっこむ」こと




●6.叢 

くりかえしが多くなってきて、文体が崩れはじめる。

吸われる
吸われる      へこむ 
吸われる         潰れる
     吸われる 吸われる
吸われる
     何に
      彎曲するその光に

吸われるの反復。ただリズムのための。そしてときどき早口で意味のある言葉が口走られる。「へこ
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