生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
いに例外があらわれる。「滝」という言葉があるべき場所に「崖をのぼっていく水」が変わっているのである。ただ、こうやって形式を見るだけで、驚くべき美しさを持っている。
つぎに、「そ」の頭韻3回と、「笑い」が二回。無理しない美しい頭韻。
つぎに、水が「秋の空へと」「飛び散っていく」、笑い声も「同じ空へ」「飛び散っていく」、美しい(長い)韻。繰り返しだから「韻」とは言わないのかもしれないけれど、何と呼ぼうとこの音楽の美しさに変わりはないだろう。
{引用=
6.
僕には聞こえない
その
笑い声が
僕は
あたらしくできた
石像のように
本を読んでいる
だけ
僕は
生きている声し
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(3)