生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
 

ので
滝は
ある日の朝
崖をのぼっていく水へと
変わっていた

そして
その日から
その水たちは
笑い始め
笑いつづけた

水たちは
その崖の角度そのままに
空へと
秋の空へと
飛び散っていく
笑い声も
同じ空へ
飛び散っていく}
水はのぼりながら、水滴とともに、笑いを飛び散らせている。秋の空へと。そう、自殺者の声が、一瞬にして永遠に登っていった、同じ空へ。これが秋の空だと言うこともしっかりと覚えておきたい。
くりかえしや音韻が自然に繰り出されていて、相変わらず歌が続いている。「滝」のくりかえしのリズムは完璧だ。滝は一行ごとにあらわれ、さいご、ついに
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