生前と死後のあいだで/小林レント讃3/渡邉建志
ろしい状態が、わりと長く続くのではないか。そして、そとから名前を呼ばれ、それは恐ろしい形に変形しているかもしれないにせよ、聞こえているのに、こちらからは「うん」とか「はい」とか、声に出していえない、どう頑張ってもそれだけのパワーが出ない、という状態というのは、ずいぶん有り得るのではないか。
深み。に沈むことからずいぶんとおい話になってしまった。だけど、こういった、あるバッドトリップ状態における幻覚みたいなものを、自分の体験としてしないかぎりは、彼の詩はかけないだろう、かこうとしても、胡散臭い模倣に終わるだけだろうと思う。逆に、それだけ強烈な体験が、身に沁みているからこそ、彼から出てくる言葉が我
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