飛光/ワタナbシンゴ
 
と【あなた】に
対峙し続けなくてはいけないのです。ああ、はじま
りばかりがわたしをわたしのかたへと注いでいく。
わたしはとうに赤い裸体です。そしてこれ以上のこ
とをあなたは身体に求めてくるのでしょう。ひとは、
ふと窓の外を見たときに知ってしまうこともあるの
でしょうか。ふと。それでも泡を吹きながら、わた
しがあなたを求めている。こんなにも、こんなにも。
そうです、ここが最果てなのです。
 
 
 
 
おぎゃあ           
 
 
 
 
チュパに身をくるみ、12月の東チベットをチャムド
目指し進んでいた。チベット高原の縁、あたりには
一面、莫大な
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