飛光/ワタナbシンゴ
つか鳥になれるのだろうか。それは、
誰にもわからない。もうすぐ冬がやって来る。
おぎゃあ
偶然性。気がつくとわたしはいつも足りるだけのじ
ゆうでした。満ちては欠ける所作、そのものがわた
しの営みでした。そこに【あなた】が意味を、凶暴
までに【あなた】が意味を。ひとつとして吹いてい
る泡が無数に点滅しています。器などそもそもそも
なかったのです。それが「在る」ことの惧れでした。
一切経山。はじまってしまえばおわりなど存在しま
せん。はじまってしまえば、あとは意味ばかり、意
味ばかりを重ね、わたしは必然性へと【
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