詩のおっさんのこと/Monk
僕は仕事でミスをしたばかりで、あと恋人ともケンカ中だったので
遠慮したかったのだが、「うまいもんがあるから来ぃや」と一方的
に切られてしまった。しかたなく駅で合流したおっさんに付いてい
く。途中、うまいもんてカレーかなぁなどと考えていたら、そこは
知らないマンションの屋上だった。おっさんはズカズカ入り込み
フェンスも乗り越えてしまいタバコをうまそうに吸った。夕暮れ間
近でそこからの風景はまぁそれなりにきれいだった。おっさんは
「どうや」と言ってタバコをさしだし、僕はそれを受け取りながら
「アホですね、おっさん」と言った。おっさんはタバコを踏み消し
ながら「アホに合わせたっとん
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