詩のおっさんのこと/Monk
 
と吹く。特に何
が起こるわけでもなく、しばらくすると「ほれ次、自分の番や」と
言う。しかたなく僕もピィと吹くのだがやっぱり何が起こるわけで
もなく黙っていると、おっさんは「あかんなぁ自分」と言って笑う。


詩のおっさんは土曜日の午前中に歯医者の待合室にいる。ソファー
に座って週刊誌を開き、読者欄のクロスワードに取りかかる。しば
らくして腕時計を確認すると週刊誌をパタンと閉じ、それを持って
受付の窓口に行く。おっさんが週刊誌を受付の人に渡して「今日は
帰るわ」と言うと受付の人は「はい、お大事に」と言う。


詩のおっさんが仕事の終わる時間あたりに電話をしてくる。正直、

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