私のダブルスタンダード/佐々宝砂
的だと思うのだ。たとえば彼女の代表作「緑野原(リョクノハラ)学園」シリーズ。主人公のクラスメートがなにげなくロシア人と日本人とのハーフ(名前は霧子・オルローワ)だったりして、でもクラスメートの誰一人として彼女を差別したりはしない。差別はしないが違いは意識していて、「霧子ならロシア語もできるが英語もできる!」などと言ったりする。主人公の姉の結婚相手がまた日本人ではなくて(確かアメリカ人)、でも登場人物の誰一人として「国際結婚だ!」と騒いだりはしない。実になにげなく無理なくグローバルなのだ(こういう雰囲気を継承した現在のマンガとして、『紅茶王子』があげられるかな)。
そしてこのグローバルな感覚は
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