私のダブルスタンダード/佐々宝砂
家である。このひと、gooで検索してもファンサイトが5つない。有名でないのは確かだし、80年代80年代した少女マンガ家なので、読めないひとには読めないだろうから、読めとは言わない。言わないが、私はこのひとのマンガが大好きなのだ。このひと、SFともファンタジーともいいがたいものを描いたマンガ家で、おそらく全くボルヘスを知らないままに「バベルの図書館」的な短編を描いていたり、地球そのものを消してしまったり、なかなか変……というかなかなか侮りがたいマンガ家なんである。
星野架名の作品の特異性は、「異質なものが知らぬうちに隣り合っている」ことをよしとするその宇宙観にある。そこいらへんが非常に神戸的だ
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