私のダブルスタンダード/佐々宝砂
 
。私はその違う点にこそ着目して、その違う点をこそ認めたい。そこに世界の面白さは存在していると思う。

だとしたら、私は「オマエモナー」という言葉をすら認めなくてはならない、のだろう。それが私といかに異質であっても、だ。「私はあなたに内包されたくない」「私はあなたに似ていない」と考えているとしても、だ。これまたダブルスタンダードか、はたまた「あんたの言うことなんか間違ってるサ」と息巻いているだけか。どっちなのか私にはわからない。いずれにせよ、現在のところ、私は「オマエモナー」を一時隔離して、私の自我を守らなくてはならない。私の自我はその程度には弱いのである。


と、ここらで終わればふつー
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