「夢のひととき」/服部 剛
 
に浮かべて
  この両手に包むんだ 」 

( 窓から見下ろした木造の橋の上で餌(えさ)を啄(ついば)む鳩達と
  追い払うように舞い降りてくる一羽の黒い烏さえも
  慈しむような君の澄んだまなざしは地上へとそそがれていた )

やがて窓の外に陽は傾いて
眼下の小さい木々の葉群は風に揺れ
黄昏の詩(うた)を奏で始めた

腕時計に目を見やる君が

「 あ・・・そろそろ時間が・・・ 」

と席を立ち、僕は店の出口まで見送る

「 今日はありがとう・・・
  会えて嬉しかったよ・・・
  ずっと応援しているよ・・・ 」

君のか弱い
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