祐介と沙弥香(一応恋人同士)/※
ろくに、名前ひとつ呼び合った記憶も無い
それでも求め合う
無くした指先を拾うかのように、キスをして
手紙をポストに投函する感覚で
ひとつになって
事が終わって
不思議なのは
只、抱き合ってテレビを見ている時
寄り掛かっている背中と
受け止めて お腹の上で組まれる指
この状態が
一番、アレに近いような気がする
止め処無く 落ち着いて
心から、繋がっているみたいで
だけど、アルコールが足りないと
それすら
只、同じ部屋で
こたつに入って好きなことして
そこにあるのは、安堵と温もり
只、傍にいるだけで
傍に、在るだ
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