プー子さんの退職/服部 剛
 
後には何故かいろいろとうまくいき、
 みんなに よかったね と言われるのよ。」

僕は

「なんだか、皆が見ないでいる光を集めるフレデリックや、
 最後に兎を追い越して勝つ、亀みたいだなぁ・・・。」

と答えた

今の部署にきてから3年が過ぎた、
プー子主任が休日の、ある日

勤務を終えた後の事務所で
相談員と副主任とパート職員の僕で
コーヒーを飲みながら
11月からプー子さんがいなくなって空く大きい穴を
どうすれば皆で埋められるか話していた

僕が不完全な自分の穴を埋められぬように
見渡せば、誰もがそれぞれの穴を抱えながら
気付いたら、互いの穴を小指でつ
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