詩と“私”を切り離せ。/大覚アキラ
もちろん構わない。そうやって生まれた詩にも素晴らしいものはたくさんあるし、そういう方法にもまだまだ可能性はあると思う。でも、個人的な意見として、詩はもっとフィクショナルなものになっていいと思う。というか、もっとフィクショナルなものとして受け止められ、読まれるようになるべきだと思う。
敢えて乱暴な言い方をするならば、詩にはたぶん、意味なんか必要ないと思う。もっと感覚的なもの、そう、ニュアンスがあればそれでいい。ムードといってもいい。アトモスフィアと言い換えても構わない。要するに、そういうイメージを想起させる力が綴られた言葉から立ち昇っているかどうか、それが全てだ。そこに綴られた詩の言葉に、ど
[次のページ]
戻る 編 削 Point(61)