●そろもん第一の栞/みつべえ
1988年の秋に、私はそれまでの詩のかき方を精算すべく、個人詩誌「風羅坊」を創刊しました。コンセプトは、短く、平明で、身辺的であること。そこにはそれ以前に親しんできた現代詩的な構文への反発がありました。秋葉原でワープロ専用機を買ったその日のうちに、小詩集を編集、プリントアウトして、読んでもらいたい方々に勝手に送りつけたのでした。最初は30部でしたが、号を重ねるごとに部数がふえ、10年後には200部をこえました。まあ、一方的に送っているだけですから、部数の伸びは詩の品質とは何の関係もありません(笑)。原則として季刊ですが、最盛期には12ヶ月連続発行したこともあります。カネにもならないことに何故そんな
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