ゴミ/後期
 
町はゴミに支配されている。
誰も認めたくないが、ゴミがなければ、
町はすぐに消えてしまう。

ゴミはただの廃物ではない。
町の歴史がそこに溜まっている。
誰かが笑い、泣き、怒り、諦めた痕跡。
触れれば、まだ熱を帯びている。
ゴミはゴミと混じり合い、ひとつの泥になる。
その匂いは、甘く、腐ったようで、人の匂いそのものだ。
踏みつけた瞬間、足の裏に湿りが伝わり、
町の過去の偽りが、身体の芯でじんわりと暴露される。

町のゴミは静かに蠢く。
人々は家の中で息を殺すが、ゴミは息を吸い、吐き、町の鼓動になる。
誰もその鼓動を止められない。
燃え残った屑や布が小さく震え、かすか
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