咲子?/たま
る方向に顔を向けて、整列しているみたいで、穏やかな内海にある養殖用の生けすのなかの、渦巻くあわい魚影のように見えた。待合室の固い椅子にのんびり腰掛けて、ガラス越しにその光景を見ていたわたしは、あっ、と呟いてようやく気づくのだった。「かめりあ丸」の乗船ゲートは屋外にあって、すべて灯された広場の外灯は、乗船を待つひとびとのためだったのだと……。
あと半時間もすれば、東京湾の深い闇のなかへと流されて行くひとびとの、流される理由はひとの数だけあるとしたら、このわたしが流される理由もそのひとつでしかない。
三宅島には次郎さんがいた。
「そうだね……山と海しかないとこだけど、いつでもいらっしゃい
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