咲子?/たま
ゃいよ。飛行機もあるけどさ、めったに飛ばないから船に乗ってね。五月か、六月がいちばんだよね。海も穏やかだし、台風もまだ来ないから、ほとんど欠航しないしさ。七月になると夏休みシーズンに入って、船賃はたかくなるから……」
そういって次郎さんが、咲子とわたしを三宅島に誘ってくれたのは、昨年の秋のことで、阿佐ヶ谷のライブハウスで、次郎さんの朗読を聴いたときだった。
「じゃあ、来年のゴールデンウィークに行きます。ね、リクオさんも行くでしょ?」
もちろんのこと、咲子が行くのであればわたしも行くことになるから、ふたりして次郎さんと約束したのだが、まさかわたしひとりが「かめりあ丸」に乗るなんて悪い冗談だとしか思えなかった。
つづく
戻る 編 削 Point(2)