咲子?/たま
アのだだっ広い二等船室は、船底の固い床の上にあった。
わたしに与えられた畳一畳分の床にごろ寝したまま、単調に響く「かめりあ丸」のエンジン音は、夢のなかにいても外にいても、まるで大きな生きものの心音みたいで、意外と安らかな眠りを誘うのだった。
そのエンジン音がふいに途絶えて、固い床がおおきく横滑りする気配を感じて、わたしは目覚めたのだ。船室の灯りはほとんど消えていて、ほぼ満席の乗客は釣り上げられたマグロのように、船底に転がされて眠っている。
膝枕にしていたショルダーバッグから、ケイタイを取り出してひらく。
[ 04:42 Sunday 29th April 2011 ]
時
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