咲子?/たま
 
さまざまなことばで、生を表現していたということになる。そうして生をおもうこころは、死をおもうこころにつながって、古代のひとびとは「根の国」を編み出したのだろう。「根の国」とは黄泉の国、つまり死者たちの集う国だった。

 その「根の国」を古代のひとびとに与えたものが海であったことはまちがいない。海の向こうに「根の国」があると古代のひとびとは考えた。
 肉体を失った死者たちのたましいが帰る場所を、古代のひとびとは海の向こうに置くことで、死者たちの再生を導いたのだとおもう。いのちの芽を育むものとして、根が必要だったということだろうか。
 生きることは、行き悩む生のすがたかたちであることを、わたし
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