咲子?/たま
 
え、リクオさん……」
「なに?」
 めずらしくベッドのなかで咲子の問いがはじまった。
「どうして、人間って書くのかわかる?」
「ニンゲン? んーわかんないよ」
「あたしね、ひとはひみつの多い生きものだから、間がいるのだとおもうの。だから、人間なのよ」
「マ? ああ、ひとの下に間があるってことか」
「そうよ、ひととひとのあいだに間がなかったら、どんなひみつも隠せないでしょ?」
「ということは、ショウコと、ぼくのあいだにも間は必要なわけ?」
「うん、そうおもう」
「どれぐらいの?」
「ん、……こたつひとつぶんかな?」
「こたつ?」
「そうよ、こたつひとつぶんだったら、手を伸ば
[次のページ]
戻る   Point(2)