咲子?/たま
でJR大船渡線に乗り換えるという。
「遅くならない?」
「だいじょうぶ、五時半には着くから」
気仙沼に……という咲子のふるさとを、わたしはおもい描くことができなかった。一ノ関から二時間余り乗るという列車の窓には、いったいどんな風景が流れるのだろうか。
「ねえ、リクオさんも上野でしょう?」
「なにが?」
「家へ帰るとき、上野から乗るでしょ?」
「あ、そうそう。上野から東北本線の小金井行きに乗って、久喜ってとこで乗り換えてね、そこから私鉄で一時間ほどかな」
「なんていうとこ?」
「羽生……」
上野の駅前にある「つるや」という蕎麦屋で、お昼を食べながらそんな話しをした。高校生
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