咲子?/たま
 
た初心な詩人はいま、わたしの目の前にいて詩を書いていた。



 咲子(五)

 正月がすぎて底冷えのする夜がつづいた。
 アパートの二階にあるわたしの部屋はわりと暖かいけれど、ホームこたつだけでは耐えきれなくなって夜もエアコンを入れた。
「ねえ……リクオさん、暑くない?」
「べつに……」
 咲子はうすいセーターを脱いでTシャツ一枚になった。
「風邪ひくぞ」
「だいじょうぶよ」
 いつものように咲子はノートをひらいた。わたしは筆が進まなくてヤフーをひらいてあてもなくググっていた。
「ね、ショウコがさ、詩を書く理由って、なにかあるの?」
 そんなふうにわたしは尋ねたのだ
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