咲子?/たま
のだとおもう。
「……あることはあるけど、たぶん、理由にならないとおもう……ねえ、リクオさん? 詩(シ)は音読みだとおもう? それとも訓読み?」
意外なところから咲子のいつもの問いが放たれた。
「もちろん、音読み……だろ?」
「じゃあ、訓読みは?」
「……うた?」
「ぶー、訓読みはないの」
「え、ほんとに?」
「ほんとよ。だからさ、音読み女のあたしは詩を書くべきだって、そうおもったの。それでね、漢和辞典をひらいてぼんやりしてたら、夢夢とした風景が見えてきて、その風景のなかに詩のようなものがあるのかなっておもうの」
「なるほど、音読み女か……それ、おもしろいけどさ、ボウボウとした
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