咲子?/たま
 
橋が隅田川に架かる橋であるということだろうか。たぶん、そうなのだとおもった。
 バスはすぐにやって来た。
「え? 二百円なの? どこまで乗っても?」
 どこまで乗っても東京の路線バスは二百円だった。
「どうして?」
「それはさ……たぶん、東京都知事が太っ腹なんだよ」
「あ、そうなの……」
 そのころはまだわたしのベタな冗談は通じなかった。
 都営バスの運賃が二百円というのは、二十三区にあるそれぞれの路線が短いということで、たいてい一時間も乗れば終点にたどり着くことになる。もちろん、そのことを知るのは後日のことで、その日のわたしはベタな冗談しかいえなかったのだ。
 東京駅からの乗客
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