咲子?/たま
 
図を持って、宝探しに行くみたいだった。
 なぜ、海の近くなのか。なぜ、バスなのか。その日のわたしにはその理由を問い返す余裕もなかった。バスなんて、わたしも乗ったことがなかったから、バスでなければいけないことの、その先になにがあるのか、咲子と交わすことばのルールさえできていなかったのだ。
 とりあえず、五反田でランチを食べて東京駅に行くことにした。東京駅ならバスターミナルもあるだろうし、そしたら案内板の路線図を見て、隅田川をさがすこともできるとおもったからだ。わたしにしたって、東京の下町の土地勘があるわけでもなく、隅田川といっても、つかみどころのない風景だった。しかし、その東京駅が大正解で、わた
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