咲子?/たま
で五名の作業員だからけっこう余裕のあるひろさだった。咲子は二階のフロアにいた。マッキントッシュのパソコンや、コピー機がならぶフロアの一角に、長テーブルを組み合わせたひろいデスクがあって、そこに校正担当者の席があった。二階には組版を担当する四名と校正担当の二名がいた。
その日、咲子は三階のドアをあけて、おっとりとした足取りでわたしに近づいて来た。わたしの身長は一八〇センチあって、社内ではいちばん背がたかいから迷うはずはなかった。
「あの、すみません。コンさんですか?」
「はい、昆です……」
「内校の中谷ですけど、これ、見てもらえます?」
社内では校正担当者を内校さんと呼んでいた。校正刷
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