咲子?/たま
ではないということになると、それも悔しくはないかというおもいがして、詩を読むことさえできなかったわたしが、そんなおもいを抱くようになったのは咲子と暮らしはじめたからだろう。咲子のいのちを盗むことはできなくても、咲子のいのちに触れることはできるはず。そしたらわたしのいのちに、咲子のいのちが溶け込んで、詩を読んだり書いたりする力が芽生えるかもしれない。
きっとそうなるはずだ……。
「うん、わかった。問題は、詩を書く力は、どこにあるかってことだよ。ね、ちがう?」
「詩を書く力?……ん、音読みの風景でしょ? どうしてそうなるの? それにさあ、詩を書く力なんて、あるかないかわかんないわよ……」
「
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