ショウヘイ/後期
 
ぎるくらいだ」一瞬、間が空く。その沈黙に、批判よりも、もっと厄介な感情が沈んでいる。「でもね、人間はそんなにまっすぐ生きない。腹は減るし、嘘もつくし、逃げるし、女も追いかける。」「黒澤さんの人間は、ちゃんと“立ち上がっちまう”んだ」今村はしゃがみ込み、地面を軽く叩く。「俺が撮りたいのは、立ち上がれない人間だ。いや、立ち上がる気もないやつだな。それでも生きてる。ずるずる、ねちねち、生きてる」

今村は、しばらく黙っていた。
否定しない。否定できない、という沈黙だった。

「……そうだな」
低く、腹の底から出すような声だった。
「七人の侍の、あの最後の泥は確かに、きれいだ。腹立つくらい、
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