咲子?/たま
た。見た目の地味な弁当箱は、よく見るとおそろいの品物だった。
「来月のお給料で、オーブンレンジを買おうとおもうの」
「オーブンレンジ? そんなたかいものはぼくが買うからいいよ。もうすぐ、ボーナス出るしさ」
「わっ、ほんとに? じゃあ、あたし、ホームこたつ買ってくる。ね……いいでしょ?」
「ホームこたつ?……」
咲子はこたつが大好きなんだという。そのちいさなホームこたつは特価品だったらしく、二日後には部屋に届くのだった。
慌ただしい朝のひとときだけエアコンを点けた。
夜はホームこたつのぬるま湯のような暗室で、やわらかくてつるつるした素足と、おおきな爪のごつごつした素足をからめ
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