田中宏輔2さんの『LGBTIQの詩人たちの 英詩翻譯 しょの66』誤訳問題について/室町 礼
(実際に)石膏の味を味わった(舐めた)」
これは「願望」ではなく、**「過去の事実」です。10歳の少女が、
寂しさや割り切れぬ思いから、庭の石像にしがみつき、その背中
のひび割れた石膏を実際に口に含んでいた……という描写です。
「〜したいと思っていた」というマイルドな表現にすると、この
詩が持つ「物への執着」や「生理的なまでの飢え」**という生々
しさが薄れてしまいます。
この詩は、キリスト教的倫理への反抗を描きながらも、その裏側
で「自分と同じ背丈(しょせん等身大のわたしと違わない)、動
かない石の塊」(聖母像)だけが、「舐めたり」
「話しかけたり」できる孤独な少女と
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)