【批評ギルド】『四月の遊び』 かるや/Monk
。
作品はこのわずかな間にしか存在しない情景をとらえ、「四月の遊び」と称し
ている。なんとなく愛でるような感じも受ける。「昼の呼吸」などというもの
を感じられるのはこのわずかな間だけで、空気の濃密さなど僕たちの生活のな
かでは本当に本当に些細で気にもとめないものだ。気にとめるのは詩人くらい
だ。
新入生たちはこの瞬間、誰もが詩人になる可能性を持っている。もちろん詩人
になりたい人などめったにいないので四月の遊びの終わりはすぐにやってくる。
来年の春、その背中に墓の存在を感じとった一人の男子学生、振り返ると桜吹
雪の向こうに一人の少女。いつかどこかで出会ったような・・・。詩人に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)