なんたらかんたら/後期
 
んたらとは何か」というテーマについて、延々となんたらかんたらを論じた。議事録は全文が「なんたらかんたら」で埋め尽くされ、しかし誰も不満を言わなかった。むしろ「よく分かった」「非常に示唆的だった」と高評価であった。理解とは、なんたらかんたらを受け入れる態度のことらしい。

やがて日常会話も侵食された。
「昨日どうだった?」
「いやあ、なんたらかんたらでさ」
「それは大変だったね。まったく、なんたらかんたらだ」
完全な意思疎通である。言語学者は泡を吹いて倒れたが、その泡もまた、なんたらかんたらの一種と分類された。

テレビでは専門家が真顔で解説する。
「今回の経済状況ですが、なんたら
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