映画『Cloud/クラウド』は日活アクションの系譜を継ぐか?/中田満帆
 

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 吉井良介は転売屋である。かれはクリーニング工場で働くかたわら商品の高額転売で儲けている。しかし、そのいっぽう多くの人間の怨みを買っていて、それが後半部分のアクションに連結するという映画だ。前半は淡々と吉井の人となりを描き、それが次第に不穏さを増していく。クリーニング工場やめての新天地、生活の綻び、恋人との亀裂、転売の失敗による手持ちの減り方、そして模型店からフィギュアの買い叩き。
 監督がインタビューで発言しているようにここからシド・フィールドのいう、物語の真ん中で大きく転換する部分、「センターポイント」が登場する。工場での上司や、転売の先輩、じぶんの製品を安値で買いたたか
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