河童伝・第四話「河童を殺した村」/板谷みきょう
 
いたもの”だと。

ある夜、川が鳴りました。

怒号でも、轟音でもない。

水面が、ざわり、と人の息のように揺れ、岸に近づいた。

子どもが、ふらりと外へ出ました。

婆さまがそれを止め、叫びました。

「その子は返さねぇ!」

その瞬間、川の中から声がしました。

……ならば、代わりを出せ

それは取引でした。

三郎のときと同じ。

違うのは、“今度は龍神も、皿も、仲裁者がいない”こと。

村は、選ばねばなりませんでした。

沈黙の中で、誰かが言いました。

「……河童のせいだ。」

三郎が、取引という形を、この村に教えた。
神にな
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