中田満帆氏的『PERFECT DAYS』批評「悲劇を消費する人たち」/室町 礼
が自分の映画をとるときは映画監督としてじ
ぶんの映画を撮るのです。映画監督がCM制作との境
界を意識できないようではオシマイです。
しかし『PERFECT DAYS』のベンダースはどうも、こ
の境界が曖昧だったように思うのです。いや、むしろ
その境界を電通的知性集団と共謀して、越境してゆこ
うとしていた──。
その試みは時代の流れとしてよしとするのですが、問
題はそのくせ、CMだから許されていた現実問題の
「捨象」や「疎外」についての批判をCM的な構造を
入れることで、かわせてしまっている。
いわばベンダースの『PERFECT DAYS』は市川崑の
『少し愛して、長く愛して
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